蜜蜂

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レポート

住みたい街ナンバーワンな吉祥寺をはじめとする人気の街が乱立するJR中央線沿線から少し外れただけなのに駅前の場末感ナンバーワンなのが西武新宿線沿線であり、沿線住民でも無ければなかなか来るきっかけもないような街にこそ穴場物件が潜んでいるものである。JR中野駅からも徒歩圏内にある新井薬師前駅前の商店街を歩くと華やかさもない昭和を引きずったような街並みが残っておりここも例に漏れずなのだが、昔ながらの個人経営の喫茶店も個性派揃い。

とりわけ目についた「珈琲紅茶専門店 蜜蜂」、外観は特にレトロ感を感じる程のものではないが、何やら店の前に鉢植えが大量に置かれていて雑然とした感じがやんわりと微弱な電波を放っている。アンテナが反応したので早速入店するも、店内はさらにカオスで、カウンターの上はピーナッツバターやら蜂蜜やら塩やら醤油やら、さらには蓋を開けっ放したジャムの瓶にスプーンが挿したまま置いてあったり、雑然としている感じが凄まじい。大きなピンクの紙に手書きで「トキワのゆで卵30円」と書かれたゆで卵やバナナもあれば、卓上のバスケットに置かれた菓子類や壁にピンで袋ごとぶっ刺された飴もあり、菓子や飴は自由に食べても会計に入らないらしい。それにしても、ああ、懐かしい。絶滅危惧種のダイヤル式の「ピンクの電話」があるぞ。

そして愛想の良いマスターの応対も心地良く、サービス精神旺盛な喫茶店である事に気が付く。何時間もコーヒー一杯の常連客のオバサンが居座っていても文句の一つも言わなさそうな雰囲気すらあるが、やはり西武新宿線沿線だからこんなユルユルに出来るのだろう。専ら雰囲気は御近所さんの集会場といったところである。

トーストとアイスコーヒーを注文して、雑然としたカウンター席に腰掛けひと時を過ごす。マスターの「ご自由にお使い下さい」という優しいお言葉と共に蓋が開けっ放しのアヲハタブルーベリージャムとマーマレードジャムが目の前に運ばれた。トーストはマーガリンが塗られていたので、そのまま食べました。

なお、店の最大の特徴が「モーニングサービスが夕方6時までやっている」というもはやモーニングですらねーぞと言いたくなるサービスを行っている所。名古屋流のサービス過剰な喫茶店がお好きな方であれば気に入る事請け合いであろう。

店舗写真

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