お洒落な港町などと言われる神戸ですが、新開地にやってくるとすべからく大衆的ムード全開の下町で、大阪新世界、東京浅草と並べたくなるような、三宮や元町が栄える前からの古い繁華街である。そんな新開地に長年根付いているレトロ喫茶の一つが「エデン」。その店構えはレトロを通り越して骨董品クラスの佇まいである。昭和23年創業という同店舗は港町神戸らしく当時船舶内装工事を手掛けていた業者に依頼したものらしく、内装も創業当時のまま。
店内に足を踏み入れると年季を刻んだ板張りの床がミシミシ音を立てる。シックなデザインに統一された店内はこじんまりとしながらも独特の空間を形作っている。お客様は地元民の高齢者ばかりで、タバコの吸い過ぎで肺気腫でも患っているのか酸素ボンベが載った手押し車を引いてやってきたヨボヨボの婆さんがマスターと延々会話してました。コーヒーとミックスサンドを注文し、ゆったりと一時を過ごす。新開地には同じく年季の入った純喫茶が豊富にあるが、このエデンこそが神戸新開地で現役最古のレトロ喫茶。一度は訪問をお勧めしたい。