中央線タウン高円寺と言えば売れないバンドマンやサブカルもどき、インテリ文化人崩れの溜まり場として大人気の街だが、そんな街のガヤガヤしたイメージとは真逆の超老舗でレトロな喫茶店が高円寺南、長仙寺前にある「ネルケン」。
東京でも珍しくなった「名曲喫茶」の一つで昭和30年代から営業を続けているという。店の外観からして既に異世界ぶりが凄まじい。中に入るとクラシック曲が流れる薄暗い店内に、老淑女という言葉が最も当てはまる店主の女性がおしとやかに接客して下さる。こじんまりとした店内だが、年季の入ったベルベットの椅子に腰掛けるとそこはもう別世界。珍しげなブランデーコーヒー550円を注文。コーヒーにミルクではなくブランデーを入れて飲む大人なコーヒーでした。小一時間ばかり手持ちの本を読みながら優雅な時間に浸る。存在自体が文化財的価値すら感じられる「ネルケン」、高円寺にお越しの際は是非ご贔屓に。
